引っ越しの思い出

もう30年位前の話だ、私たち家族は富士市に住んでいた。 会社の社宅で会社の敷地の中にその社宅はあった。犬を2匹飼っていた。 中学3年にあがる頃に父が新築の家を静岡市の田舎に建てた。 会社は富士で、静岡の本社に転勤になるわけでもなかったが、父は車で富士に通うからと言い、 家はその田舎に建てられた。何故そんな所に土地があったかというと、母の母が分けてくれたお金で、私が小学生の1年の頃そこに両親が土地を買ったからだと聞いている。 すごい田舎だからと私は聞いていた。引っ越しの日までその家には行っていなかった。

引っ越しはトラックや車で、会社の人たちが手伝ってくれて行われた。 犬2匹も車に乗り込み、なんだか変わった事になったなあ?と車の中でワクワクしていた。 着いた所は公害の町だった富士とは違い自然にあふれた所だった。 家はその頃よくあったプレハブ住宅の平屋だった。 私は荷物に埋もれながらもその新しい家の部屋をながめた。 皆が帰り、夕飯を食べに行こうということになり、安倍川を越えた橋向こうの蕎麦屋さんに行った。 おかしなもので、この丼物もいろいろあった蕎麦屋さんの事を私ははっきり覚えている。店内や食べたものを覚えているのではなく、ここへ来たというその場所を鮮明に覚えているのだ。そのお蕎麦屋さんは今もあるが、そこを通るたび、引っ越しの時に来たところだいつも不思議に思い出す。 https://www.sou-un.jp/

家に戻って荷物に埋もれて私たちは新しい家の第1夜を過ごした。 引っ越して、自然の恵みで患っていた蓄膿症があっという間になおってしまった。 犬たちと近くの山に登ったりもした。新しい中学3年の生活が始まった。